story6
5.13O.A
環(渡部篤郎)と決別し、もう二度と裏の捜査には関わらないと決意した武藤(玉山鉄二)は、調査員の仕事に戻る。駆け出しの絵本作家・高梨道典(高橋光臣)と言葉を交わすようになり、道典の家に招かれ食事を共にするなど親交を深める。
ある日、威圧的なスーツ姿の男たちがティッシュ配りのアルバイトをする武藤らのまえに現れ、「こんなこと道典様のやる仕事ではありません」と力づくで道典を連れ去ろうとする。男たちの強引なやり方に武藤も黙っていられず、その場は大混乱に。実は、道典は巨大企業の跡取り息子であり、父で社長の高梨道治(竜雷太)が、息子に絵本作家など辞めさせて会社に引き戻そうと画策していたのだ。
そんな矢先、道典の家に何者かが押し入り、息子の和樹が誘拐されてしまった。誘拐犯は1億円の身代金を要求、その運搬役になぜか武藤を指名してきた。なぜ自分なのか…戸惑いながらも、武藤はそれを引き受ける。
道典は息子を助けるため、絶対に同じ道には進みたくないと決別していた父の道治に「1億円を貸してください」と頭を下げる。しかし、道治は、妻・美和(前田亜季)と離婚し高梨の家に戻ってくることを条件に付きつける。絶句する道典だが、美和は「息子が無事戻るなら、私は何も望みません!」と道治の条件をのむ。武藤は、その姿を黙って見つめることしかできなかった。
レンタカーで身代金を運搬する武藤。武藤も共犯なのではないかと疑う警察は武藤の行動を徹底的に監視。しかし、犯人はそんな警察の動きを見越し、あざ笑うかのように、身代金の受け渡し場所を頻繁に変更、次第に警察の追尾が薄くなり…。
警察は、武藤がわざと追尾を巻いた可能性があると、武藤の取り調べを開始。犯人とのつながりなど無いと主張する武藤だが、まったく聞き入れてもらえない。さらに、金を受け取ったはずの犯人からはいっこうに和樹解放の連絡が入らない…。焦る武藤…。そこへ現れたのは環。「わたしがここから出して差し上げましょうか?」
すぐにでも取調室を出て犯人を追いたい武藤だが、環の手助けは絶対に受けたくない。葛藤する武藤が出した答えとは…?